TVトーク番組『爆笑問題のススメ』 日本テレビ 2005/10/29 1:30~2:00 の放送で岡田斗司夫がゲストでした。 彼の最新著作『プチクリ』に関連して、プチクリ(プチ・クリエイター)というものを紹介していましたが、その中で才能マップというものを紹介していました。

| 田中 | プチクリになろうと思っても、ブログとかいったってどうやっていいかわかんねーし、書きたいこともねーし、かといって歌もヘタだからーとか… |
|---|---|
| 岡田 | みんなねー、あの、「才能」で引っかかるんですよね、一番の話。 これねー、あの、大阪芸大出て僕が東京大学で教えていたときも立教大学で教えていたときも、みんなね、”才能”という言葉を口にして、こう、挫折するんですよ。 |
| 田中 | はい、はい。 |
| 岡田 | それでなんかその、学生に説明するために作ったツールがあるんですよ。それを僕は”才能マップ”っていうふうに呼んでるんですけど。これもうすごい簡単で、その人にどんな才能があるのかはっきり分かっちゃう仕掛け、なんですね。 |
| 太田 | ほおー。 |
| 眞鍋 | 何?何? |
| 岡田 | これね、僕の才能マップなんですけど、はい。すごい簡単なんですよ。 ”分かること”と”分かんないこと”を書くんです。それだけでいいんですけども、僕ね、スポーツわかんないんですよ。世界陸上もわかんないし。 |
| 田中 | わかんないつーのは…あの… |
| 岡田 | 興味がない。 |
| 田中 | ”興味”がない(っていう意味なんですね)。 |
| 岡田 | はい。あと、音楽聴かない、特に男性ボーカルなんて、オレより顔がいい男の、気持ちよさそうに歌っている顔を見るなんて悪趣味、僕には理解できない。 |
| 田中・太田・眞鍋 | (笑) |
| 岡田 | あと、お酒も飲まないし、で、わかんないっていうことは才能が実はないんですね。 |
| 太田 | あぁ。 |
| 岡田 | 普通これね、僕こういうふうに言ったんだけど、「いや、オレ分かるよ」ってみんな言うと思うんですよ。「オリンピックは見るしー、お酒はおいしいじゃない」って。実はその人たちは、”才能がある”んですね。 |
| 田中 | あ、それだけで。たとえばちょっと興味があるとか、好きとか、そのレベルでもう才能が… |
| 岡田 | その差がでかいんですよ。才能がまったくないってことがわかんないと困るんですよ。この分かんないことはね、実は努力してもあんまりしょうがないんです。 それよりは、分かること、自分がやってて楽しいこととか、できることを考えれば。 これ(岡田氏の才能マップ)ね、わかんない人いっぱいいるんですよ。僕たとえば模型好きだけど、模型のことわかんないとか好きじゃないって人いくらでもいます。マンガ読まない人もいっぱいいるし。 |
| 太田 | でも分かるのの中に「肉」って書いてあるのが…(笑)。「肉」って才能なんですか?ただ好きなだけでしょ… |
| 岡田 | ただ好きなだけ、が才能なんです。 |
| 太田 | それが才能… |
| 岡田 | 結局肉が好きじゃない人は、(好きじゃないという)それだけじゃなくて肉に関する才能がないんです。 |
| 眞鍋 | 肉に関する才能って…。肉をプチクリするにはどうすればいいんですかね。 |
| 岡田 | これね、こっから先プチクリっていうのは、これをどうやって発展させるかがポイントなんですけど。僕これは、肉と魚というふうに書いたんですが、ぼく魚に関しては味があまりよく分からないので、魚に関しては才能ないな、と。将来オレがレストラン開くにしても、魚メニューはやめとこうかな、とか。肉メニューだったらいけると。俺の店には、酒はろくに置いてないな、とか。もしくはソムリエ一人置いて酒はそいつに任せたほうが安全だな、というふうになる。 |
| 太田 | そういう発展の仕方… |
| 田中 | だから、才能があるないっていうとちょっと分かんないかもしれないけど、やっぱり、それについて少しでもなんかこう、話ができるとか、こう、好きだとかね… |
| 太田 | あー、そうすると気が楽だね。 |
| 田中 | これねー、ものすごい救済って気がする。 |
| 太田 | 気が楽になるね。 |
| 田中 | 好きかどうかだけでもちがう、そこが一番… |
| 太田 | それがー、いざプロの世界になると、その、才能のある連中は当然才能があってプロになるわけだから、やっぱそん中での才能の、もっとあるかないかが… |
| 岡田 | 才能ってこと自体はそんな大きいポイントじゃないんですよ。コントロール力のほうが大事。才能がありすぎると人の言うこと聞けないんですよ、どーしても。 編集者の言うこと聞けないとか、発注者の注文どおりできないとか監督の言うとおりできなくて、結局つぶれちゃったやつってすごい多い。で最終的に残ってるやつって、ちょうどいいサイズの才能のやつなんですよ。 |
| 太田 | そうかもしんない。 |
| 岡田 | どっちかっていうと少なめのやつ。少年ジャンプなんて、デビューした作家、全部ヘタですもん。… だから、とんでもなくヘタな人が(デビュー)できるんですよ。 ところが恐ろしいもので、いいアシスタントをつけて、いい編集がついて、一年間連載させると、誰でもうまくなるんですよ。マンガは、こうやっぱり、才能って言うのはたしかに必要なんですけど、それはマンガを面白いと思うとか、書きたいと思う程度の才能で実は十分で、あとは毎日毎週、デビューして人に見せておもしろいって言われる経験が、そいつを伸ばすんですね。 |
| 田中 | 好きなものを、ざっと考えてみました。まだまだいっぱいありますけども、…パッと思いつくだけで。 |
|---|---|
| 岡田 | 「ベストテン」「レコード大賞」「作詞作曲」でしょう。で「80年代アイドル」でしょう。これね、つんく♂ ですよ、目指すは。 |
| 眞鍋 | お! |
| 太田 | 作詞作曲、できませんから。 |
| 眞鍋 | いや、でもね、ほんとに聞くところによると田中さんがね、作詞作曲した歌があるそうなんですよ。ちょっとね、岡田さんの目の前でその才能をね、見出してもらえないかな、と。 |
| 田中 | え、なに?歌うんすか、オレ? (ギターかかえる) え、いや、ていうかギター、オレ弾けねえってーの。えー!? (歌う。最後にギターを鳴らす) |
| 太田・岡田・眞鍋 | (笑) |
| 岡田 | この曲の完成度はたいして問題じゃないんですよ、さっき言った つんく♂ 路線でいく場合は。自分より作詞と作曲うまいやつ連れてくればいいわけですね。 |
| 太田 | プロデューサー(路線)だからね。 |
| 岡田 | 作詞作曲ができるってことは判断ができるんですよ、この曲でいいかどうか。 |
| 田中 | ちょっと待って(笑)これ(作詞作曲)できることになってるんですか? |
| 岡田 | やってますよ。 |
| 田中 | いや、やってんすけど… |
| 岡田 | いや、これをできない人のほうが、多いんです。じゃ自分の好きなマンガで一曲作れっていったら作れる人10人に1人もいない。 思いつくとか最後までできるっていうのは、本当に才能なんですよ。 で、みんなそれ見て、プロのレベルと比較して、ダメだとかレベル低いって言うんですけど、まずそれができるだけでもすごい。 ただ、これ(作詞作曲)でプロになろうと思ったら不幸ですよ。 |
| 田中 | ええ。 |
| 太田・岡田・眞鍋 | (笑) |
| 眞鍋 | …こういうところ(田中氏の才能マップ)にー、訴えかけるようなアイドル作ればいいんじゃないですか? |
| 岡田 | …時代を特定して、「76」ってグループだと、76年の曲っぽい。 |
| 眞鍋 | あー、それいい! |
| 田中 | それは受けるかもしれない。 |
| 岡田 | そうやって展開させていけばできるんですけど、なんかね、自分の才能ってこれかなって思って、それしかやらなきゃいけないって思ってると、人間すごい空回りしちゃうんですよ。 |
| … | |
| 岡田 | みんな(才能を)いっぱい持ってるから、本当に使ってほしいですよね。 |
| 田中 | 才能っていうのは、一万人の中の1位の才能じゃなくって、興味があるとか、好きだとか… |
| 岡田 | それだけでも実は一万人の中の、7000番とか、6000番とかね、わりともう真ん中あたりなんですよ。”分かる”ってだけでもね、でかい。 だから、好きだってことが、マンガが好きだったらマンガを書くことしかみんな思いつかない。で野球好きだったら野球やれないとダメかな、と思っちゃうんだけど。好きだから才能があるのは確実なんだけど、それをストレートに表現することだけがゴールじゃないですね。 |
| 太田 | それがね、できるとできないと大きな違いですよね。 |
| 田中 | 気づくか気づかないか… |
| 太田 | 気づいたとしても…!うーん、たとえば漫才師目指してや
ってると。 だけどやっぱり人前に出るタイプじゃないなって奴はいるわけじゃない? |
| 田中 | うん、うん。 |
| 太田 | おまえ作家になったほうがいいんじゃないか、とか。やっぱそこにね、気づける奴っていう…、早い段階で ですよね?しかもね。 |
| 岡田 | うーん…、そういえば、漫才師やってるやつが勝ちで、作家になったやつが負けだと思ったら絶対できないですね。 |
| 太田 | そうなんですよね。そこでね、なんつーの多少の、勇気っていうか… |
| 田中 | 勇気いるよ、当初は目指してたわけだから… |
わたしはいま進路について悩んでいて、これがたいへん参考になったので、ちょっと実行してみています。
![]() | プチクリ!―好き=才能! 作者:岡田 斗司夫 出版社/メーカー:幻冬舎 発売日:2005-12 メディア:単行本 |
おすすめ度の平均: |
